平成26年下谷神社例大祭の千貫神輿渡御
歳時記/祭り - 2014年05月18日 (日)

5/11(日)、台東区東上野の下谷神社に行ってきました。
目的は、下谷神社の例大祭3日目に登場する、本社神輿の渡御を見ることです。

下谷神社は、西暦730年に、上野忍ヶ岡に、大年神(おおとしのかみ)、日本武尊(やまとたけるのみこと)をお祀りしたのが始まりとされています。
神社の社殿は、大正12年の関東大震災のために焼失したため、昭和9年に造営されたものだそうです。

下谷神社は、昔から「正一位下谷稲荷社」と呼ばれてきたので、この町も稲荷町というようになりました。
最寄り駅も、東京メトロの稲荷町駅です。

神社拝殿の天井には、横山大観が描いた、存在感たっぷりな龍の絵があります。
拝殿を建立する際、神社が依頼したものですが、大観は絵の代金を受け取らなかったそうです。
代金のかわりに、酒を持ってこさせ、皆にふるまったという、エピソードが伝わっています。

これが、下谷神社の本社神輿です。
大正15年、後藤直光の作で、台輪幅四尺一寸(124cm)高さ十尺一寸(306cm)の大型神輿で、昔から、大きくて重い神輿のことを、千貫神輿と呼んできました。
千貫というと、3.75トン(3750kg)ですが、100人で担いだとしても、1人37キロちょっとありますから、その重さたるや・・・尋常じゃないですよね。
下谷神社の本社神輿は、実際どのくらいの重さなのかは、わかりませんが、迫力は相当なものです。

都内の、鳥越神社の本社神輿は約4トン、富岡八幡宮の一ノ宮神輿は、約4.5トンもあり、お化け神輿とも呼ばれています。
しかし、富岡八幡宮の神輿は、あまりの重さに担ぐことができなくて、約2トンの、二ノ宮神輿が作られて、代わりに担がれているとのことです。

下谷神社に属する氏子の町会は29町あるそうで、宮出しから宮入りまで、それぞれ氏子町会の分担エリアを担ぎます。
揃いの半纏を着込んだ町内の精鋭が、重量級の本社神輿を担ぎ、次の町会に神輿を渡していくので、これを「町会渡し」といいます。

自分が神社に着いたのが朝9時前ころで、すでに本社神輿は神社を出発していました。

境内の能楽堂では、神楽囃子が演奏されてました。

神輿渡御道筋図をもらって、本社神輿を追いかけます・・・
東京メトロの上野車庫の前で追いつきました。

ここは、地下鉄が、地上の踏み切りを通る・・・という大変珍しい場所です。
右のビルの奥は、地下鉄の車庫になっていて、電車が道路を横切って、左手のトンネルに入り、上野駅に回送されていく場所なんです。

神輿の先導役の、猿田彦が通ります・・・天狗の面をつけて、足元は高下駄を履いています。

白い御幣(ごへい)とともに、神輿が近付いてきました。

重厚な神輿です。
急勾配の屋根の四面には、銀色の大きな稲神紋を付けて、中央には大鳥(鳳凰)、四隅の蕨手の小鳥には八咫烏(やたがらす)が配置され、神輿が振られると、飾り紐に結ばれた鈴がシャンシャンと鳴り、八咫烏もクルクルと回ります。


神輿渡御のしんがりには、騎馬の神職が付いてゆきます。

けっこう狭い路地にも入っていきますよ。

氏子の町会ごとに頭(かしら)というリーダーがいて、拍子木で神輿を担ぐ若衆に合図を出します。
↑スマホで撮ったんで見にくいですが、町会渡しの始め部分です。

町会ごとに編成された、祭り囃子を演奏する、移動式のお囃子屋台です。
神輿に付かず離れず移動しながら、軽やかなメロディーを奏でます。
一番左が、お囃子用の長胴太鼓、そのとなりの、平べったいのが締太鼓で、うしろにちょこっと見えている横笛は篠笛です。

締太鼓を叩いてる女性は、背中に篠笛を刺しているところをみると、太鼓も笛もできそうですね。
↑お囃子屋台~狭い路地に熱気溢れる本社神輿の町会渡し

お囃子の中でも、非常に重要なパーカッションである、鉦(かね)・・・当たり鉦、といいます。
阿波踊りのお囃子でも、大活躍しますよね。
粋なお姐さんたちの写真も並べておきますね・・・









祭りガールって、いいもんですよね(^^)/
担ぎ手の熱気溢れる画像も・・・





午後の神輿渡御まで見ていたら、日焼けしそうな天候だったので、途中で切り上げましたが、あとで、you tubeで午後の動画を探していたら、スゴイことになってました(笑)↓
東京の下町の夏祭りは、トップを切って、下谷神社から始まると言われてますが、今日5/18は、浅草の三社祭のメイン、本社神輿渡御ですね。
残念ながら見に行けませんが、皆さん、怪我のないように、楽しんでもらいたいです!